エンディアイエのプレースタイル解説:ドリブルで違いを生む万能アタッカー

プレースタイル解説
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エヴァートンのエンディアイエを見ていて最初に感じるのは、ただ速い選手ではないということです。もちろんスピードはあります。
でも本当に厄介なのは、相手の前で一瞬テンポを落とし、そこから細かいタッチと体の揺らしでズレを作って抜けていくところです。
Total Football Analysisは、彼を左を起点にしながら中央に入ってコンビネーションを作れるアタッカーだと整理していて、特にトランジション局面で危険な存在だと見ています。
さらにBreaking The Linesも、狭い局面でのボール操作と前線の複数ポジションをこなせる柔軟さを、エンディアイエの大きな魅力として挙げています。

だからこの選手は、単純に「右ウイングの人」「前線の選手」とだけ覚えると少しもったいないです。
見ている側としては、どこに立っているかより、どこで局面を変えられるかで見たほうがしっくりきます。
Premier League公式の加入時コメントでも、本人は
「ドリブルで観客を沸かせたい」
「走って追いかけるのも好き」
「ストライカーは最初の守備者だ」
と話していて、華のあるプレーとハードワークがセットになっているタイプだと分かります。

基本情報

以下の基本情報は、Premier League公式、Everton公式、Transfermarktの現行プロフィールと市場価値更新情報をもとに整理しています。年齢は2026/04/19時点で算出しています。

項目 内容
選手名(英語名) エンディアイエ(Iliman Ndiaye)
生年月日/年齢 2000年3月6日(26歳 ※2026/04/19現在)
身長(cm) 180cm
国籍 セネガル
ポジション 右ウイング/フォワード
所属クラブ(国名) エヴァートンFC(イングランド)
市場価値 50.00m € ※2026/03/09時点

プレースタイル

一番の武器は、狭い場所でも前を向けるドリブル

エンディアイエのプレースタイルを一言で言うなら、まずここです。
狭いところで剥がせる
これが本当に大きい。広いスペースで走らせれば怖い選手はたくさんいますが、エンディアイエは相手が近くにいてもプレーの質が落ちにくい。
Opta Analystは、シェフィールド・ユナイテッドで昇格に貢献した2022-23シーズンに、彼がチーム最多の136回のドリブルを試み、76回成功させたと紹介しています。
さらにBreaking The Linesも、彼の最大の強みとして
「難しい状況からでもドリブルで脱出できること」を挙げています。

実際に見ていると、派手に大股で抜くというより、小さなタッチで相手の足を止めてから抜く場面が多いです。
低速のボール操作から急に加速するのがうまく、体の向きや肩の揺らしだけで相手を外せる。Total Football Analysisも、エンディアイエの特徴として「接触を受けても失いにくいファーストタッチ」と「低速でボールを動かしながら一気に加速する能力」を挙げています。
見ている側からすると、派手というより“上手いから抜ける”タイプです。
そこがかなり面白いです。

サイドの選手に見えて、実は中央で怖さを出せる

登録上は右ウイングでも、エンディアイエはライン際に張って縦突破だけを狙うタイプではありません。
むしろ魅力は、外から中へ入る動きと、中央での細かい関わりにあります。
Total Football Analysisは、彼が左を出発点にしながら中央のエリアに入って味方とつながり、そこから仕掛けやラストアクションに持っていくタイプだと分析しています。

この感覚は、試合を見ているとかなり分かりやすいです。
タッチライン際で孤立するより、半スペースや相手のSBとCBの間に顔を出した時のほうが、エンディアイエは一気に嫌な選手になります。
ボールを受けた瞬間に前を向けるし、相手が寄せてきてもワンタッチでかわして運べる。
だから彼は“純粋なウイング”というより、前線のどこからでも中に侵入して違いを作るアタッカーとして見たほうが実像に近いです。

1トップの相棒役に置くと、良さがもっと出る

エンディアイエを見ていて「センターフォワードなのか、トップ下なのか、ウイングなのか、結局どこが本職なの?」と感じる人は多いと思います。
結論から言えば、全部できるけれど、いちばん自然なのは“相棒役”です。
The Analystは、彼を「ボールを前に運べる万能型」でありながら、「メインのストライカーの少し後ろ」で最も生きる選手だと評価しています。
Breaking The Linesも、単独の9番より、もう一人前に基準点がいる形のほうが噛み合いやすいと見ています。

これはかなり納得できます。
エンディアイエは、自分が最前線でずっと背負って収め続けるより、前にいるFWを使いながらその周りを動くほうが持ち味が出ます。
降りて受ける、入れ替わる、横に流れる、空いたスペースにもう一度入る。この一連の動きが自然なんです。
見ていても、「ゴール前で待つ人」より「崩しの中で突然フィニッシュに現れる人」という印象のほうが強いはずです。

ドリブラーなのに、守備をさぼらないのが大きい

技巧派のアタッカーというと、守備面は割り引いて見る人も多いと思います。
でもエンディアイエはそこが少し違います。
Premier League公式の加入時コメントでも、自分の特長としてハードワークや前線からのチェイスをはっきり挙げていました。
さらにOpta Analystの2022-23シーズン評でも、前線でのボール奪取や守備への関与が数字に表れていました。

この部分は、実際に使う側の監督からするとかなり大きいはずです。
どれだけ上手くても、守備で外されるタイプは起用が難しくなる。
でもエンディアイエは、攻撃で違いを作れる上に、守備のスタート地点にも立てる。
だからこそ前線の複数ポジションで計算しやすいし、試合の流れが重たい時でもピッチに残しやすい。
見る側としても、「上手いだけ」で終わらない安心感があります。

右サイドへの適応で、選手としてもう一段広がっている

最近のエンディアイエを語るうえで外せないのが、右サイドでのプレーです。
Evertonのロングインタビューでは、本人が右でのプレーはまだ学習中だと認めつつ、ポジショニングやスペースへの入り方、どこでドリブルを使うかを分析とトレーニングで磨いていると語っています。
さらに、以前よりもファーポストに入って得点を狙う感覚が強くなっているとも話していました。

ここは今後の伸びしろとしてかなり面白い部分です。
もともとの武器は足元の打開力でしたが、右でのプレーが板についてくると、足元で受けるだけではなく、背後に走る、逆サイドから入る、ゴール前で仕留めるという要素まで自然に増えてきます。
要するに、ボールを持った時だけ怖い選手から、ボールがない時も嫌な選手に変わりつつある。そこは今のエンディアイエを追う楽しさでもあります。

エピソードとハイライト

フランス生まれ、セネガル育ち、イングランドで磨かれた感覚

エンディアイエのキャリアをたどると、プレースタイルの理由が少し見えてきます。
Premier League公式によれば、ルーアン生まれで、ルーアンやマルセイユの育成組織を経て、セネガルのダカール・サクレクールでもプレーし、その後イングランドへ渡ってボレアム・ウッドに加わっています。
Guardianは、セネガルに移ってから砂のピッチや浜辺でもボールを扱っていたことが、彼のボールコントロールを磨いたと伝えています。

この経歴はかなり独特です。フランスの育成、セネガルのストリート感覚、イングランドの強度。この3つをまたいできたからこそ、エンディアイエには“型にはまりきらない上手さ”があります。
足元は柔らかいのに、試合のテンポには負けない。見ていて独特のリズムがあるのは、その背景を知ると少し納得できます。

マルセイユへの憧れは、かなり早い段階から本物だった

エンディアイエにとってマルセイユが特別なクラブだったことは、Guardianの取材でもはっきりしています。
本人は、5歳のときに最初にもらったサッカーユニフォームがマルセイユのシャツだったと語っていて、スタジアムの雰囲気やクラブの歴代選手に強く憧れていたようです。

だから後にマルセイユへ移籍した流れは、単なるステップアップというより、子どものころの夢を回収する移籍だったと言えます。
結果だけを見ればマルセイユでの1年は爆発的ではありませんでしたが、そこに至るまでの物語を知ると、この選手のキャリアはかなり人間味があります。
一直線の成功ではなく、いくつもの土地を回りながら、ようやく憧れに手を伸ばした選手なんです。

「プロになる」以外の選択肢を持たなかった下積み時代

Sky Sportsが伝えている話の中でも印象的なのが、エンディアイエには「バックアッププラン」がなかったというエピソードです。
本人は周囲に何を言われても「自分はプロサッカー選手になる」と言い続け、ボレアム・ウッド時代の関係者もその確信の強さを証言しています。
同じ記事では、サウサンプトンやチェルシーなど複数クラブでトライアルに落ちながら、最終的にシェフィールド・ユナイテッドへつながった過程も紹介されています。

こういう背景を知ると、エンディアイエのプレーにある図太さもよく分かります。
大舞台でも変に縮こまらないし、相手が強くても仕掛けることをやめない。
あれは単なる性格ではなく、下積みの時間をくぐってきた選手特有の強さなのかもしれません。
見る側としても、上手いから好きになるというより、経歴を知ると応援したくなるタイプです。

シェフィールド・ユナイテッドで一気に名前を広げた

エンディアイエの知名度が一気に上がったのは、やはりシェフィールド・ユナイテッド時代です。
Premier League公式によると、2022-23シーズンのチャンピオンシップで46試合14得点11アシストを記録し、昇格の中心選手になりました。
Opta Analystも、同シーズンの彼について、ドリブル成功数の多さとボール運搬の質を高く評価しています。

この時期のエンディアイエは、数字だけでなく内容もかなり良かったです。
ボールを持てば前進できるし、持たなくても前線でつながれる。
しかも試合の空気が重いときほど、自分のドリブルで流れを変えられた。
だから当時の評価は、単に「成績がいい若手」ではなく、試合そのものを動かせるアタッカーというものだったと思います。

ワールドカップで、世界に名前を刻んだ

2022年ワールドカップも、エンディアイエのキャリアでは大きな節目です。
Sky Sportsによると、カタール戦では途中出場から得意のドリブル突破でバンバ・ディエンのゴールをアシストし、エクアドル戦でも良いパフォーマンスを見せて評価を高めました。
Breaking The Linesでも、この大会での印象的なアシストが彼の名前をさらに広げたと振り返られています。

ここで良かったのは、舞台が大きくなってもプレーの質がぶれなかったことです。
世界大会だからといって急に無難にならず、いつも通り相手に仕掛けた。
エンディアイエの良さは、まさにそこです。
見ている側からすると、
「この選手は相手が誰でも自分のプレーを出せるんだな」と感じられる大会でした。

エヴァートンでは、歴史に残る夜の主役にもなった

2024年夏、エンディアイエはマルセイユからエヴァートンへ加入し、5年契約を結びました。Premier League公式では、加入時点で彼がシェフィールド・ユナイテッドでの実績、セネガル代表での経験、そして前線の複数ポジションをこなせる存在として紹介されています。
Evertonのロングインタビューでは、加入初年度に公式戦11得点を挙げたことも振り返られています。

そして最大のハイライトのひとつが、2025年5月18日のサウサンプトン戦です。
Premier League公式によれば、エンディアイエはこの試合で2得点を決め、グディソン・パークで行われた男子トップチーム最後のリーグ戦を勝利で締めくくる主役になりました。
クラブ史の節目で結果を残すところに、持っている選手らしさがあります。こういう場面で名前を刻めるのは、やはり特別です。

まとめ

エンディアイエのプレースタイルを分かりやすく言うなら、
「狭い局面を壊せる流動型アタッカー」です。
ドリブルで前進できる、中央でも絡める、前線のどこでも動ける、しかも守備もやれる。
このバランスがあるから、見ていて面白いだけでなく、チームにとっても使い勝手がいい。
海外の分析を追っても、単なるテクニシャンではなく、攻撃全体の流れを変えられる存在として評価されているのが印象的です。

正直、エンディアイエは一言で片づけにくい選手です。
ウイングとも言えるし、セカンドトップとも言えるし、トップ下っぽさもある。
でも逆に言えば、それこそが魅力です。
相手からすると捕まえにくく、見ている側からすると次に何をするか読みにくい。
だからこそ、ふとした1プレーで試合の温度を変えられる。
エヴァートンで彼を見る時は、ゴール数だけでなく、
「この選手が入ると前線の景色がどう変わるか」
に注目すると、かなり面白く見えてきます。

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