基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
選手名(英語名) | Nuno Mendes (Nuno Alexandre Tavares Mendes) |
生年月日/年齢 | 2002年6月19日(23歳 ※2025年現在) |
身長(cm) | 180cm |
国籍 | ポルトガル |
ポジション | 左サイドバック/左ウイングバック |
所属クラブ(国名) | パリ・サンジェルマン(フランス) |
市場価値 | €70.0m ※2025/06/03時点 |
補足:2025年2月にPSGと契約延長(〜2029年)を公式発表。クラブの中長期プランの中核として位置づけられている。 (en.psg.fr, Cadena SER)
プレースタイル
メンデスの本質は「ウインガーの魂を持つ左SB」。縦の推進力と、内側レーン(ハーフスペース)への侵入の両立――“縦内ハイブリッド”で相手の守備をずらし続ける。以下、局面別に掘り下げる。
爆発的スピードと推進力:一気に前進する“ミサイル走法”
初速からトップスピードへの到達が極端に速く、ボールを持っても失わない安定したストライドで中盤〜最終ラインの間を切り裂く。カウンター局面では、外を縦に抉ってからのグラウンダークロス、もしくは内へ運んでの折り返しの二択を常に提示。戦術メディアも「PSGの左に配備された戦術ミサイル」と評しており、爆発力はリーグ屈指だ。 (breakingthelines.com)
“外→内”“内→外”の使い分け:ハーフスペース突入で数的優位を創る
4バック時はSB、3バック時はWBとして幅を確保しつつ、ビルドアップではインナーラップで一列前に顔を出す。内側に絞るときは、逆足(左)からアウトサイドでテンポを変え、縦列の三角形を作って前進。相手SHが迷うポジショニングを繰り返すことで、ボール保持側の数的優位を自然に作り出す。 (breakingthelines.com)
対人守備:スピード×間合いで“抜かせない”
守備では、踏み込みの速さとリトリートの切り替えが秀逸。背後スペース管理を怠らず、先手で身体を入れて運びを遅らせる。強力ウインガーとのマッチアップでも、正対→外切り→内切りと局面を微調整しながら奪い切る場面が増えた。英国紙は、CLでのモハメド・サラー封じを「彼の対人能力を証明する一戦」と評価している。 (ザ・タイムズ)
クロスの質:速いグラウンダーとニア差し込みの二刀流
スプリントの最終段で腰を落としてからの速いグラウンダークロス、あるいはニアへ“刺す”クロスが武器。足を振るタイミングが遅めで相手が寄せ切れないため、ブロックに当たりにくい。海外のスタイル評でも「密集でも通すクロス精度」を長所に挙げる記述が見られる。 (ウィキペディア)
データで読む“攻守の圧力”
FBrefのスカウティングレポートでは、プログレッシブキャリーやドリブル成功率、シュート起点(SCA)で高いパーセンタイルを記録してきた傾向が示される。数値面でも“運ぶ・剥がす・作る”の三拍子が揃った左SBであることが裏付けられる。 (FB Ref)
“現代型SB”としての適応力:システムを選ばない
4-3-3では幅を作る純SB、3-4-3では超攻撃的WB、ポジショナルな再現性が問われるビルドアップでも中盤化して前進の起点を担える。ルイス・エンリケ体制下での役割理解は年々深まり、可変の中でも迷わない。戦術分析記事でも「技術・攻守アグレッション・戦術理解の三拍子」を高く評価している。 (breakingthelines.com)
エピソードとハイライト
10代でスポルティングの主力に――“早熟の英才”
リスボン郊外シントラ出身。スポルティングの名門アカデミーで育ち、10代でトップデビュー。20/21には国内2冠に貢献し、ビッグクラブの注目を集めた。 (ウィキペディア)
PSG移籍→即レギュラー定着、そして“復活”
2021年にPSGへ(翌年に完全移籍)。23年秋に右ハムストリングの手術で離脱も、完全復帰後は再び主力に。スピードと対人の質を落とさず、キャリアの山を乗り越えた。 (psg.fr, Sports Mole)
2024-25:PSG史上初のCL制覇の立役者の一人
2025年5月、ミュンヘンでのCL決勝でPSGがインテルを5-0で圧倒し“悲願の初優勝”。この大会全体で、左からの前進と守備安定で機能性を高めた。決勝の歴史的スコアは複数の通信社・メディアが伝えている。 (Reuters, ESPN.com, Al Jazeera)
強敵との真っ向勝負:サラーとの名勝負
同シーズンの欧州戦線でみせたサラーとのマッチアップは、スピード勝負を恐れない守備姿勢と、1対1での間合い管理が際立った一例として言及されることが多い。 (ザ・タイムズ)
代表でも主役へ:2025年ネーションズリーグ優勝、決勝で“1G1A”&大会MVP
2025年6月、ポルトガルはスペインとの決勝でPK戦の末に優勝。メンデスは同点弾に加え、ロナウドのゴールをアシストし、決勝の“マン・オブ・ザ・マッチ”および大会最優秀選手に選出された。UEFA公式や主要メディアが詳細に報じている。 (ウィキペディア, UEFA.com, ガーディアン)
国内でもタイトル量産、PSGの4連覇に貢献
リーグ戦ではPSGの連覇街道におけるキープレイヤー。2024-25は4連覇のシーズンとして位置づけられ、左サイドの安定供給源となった。 (ザ・タイムズ)
“PSGの未来”へコミット:長期延長(〜2029)
2025年2月、PSGと長期延長を締結。クラブ公式インタビューで「家族のようなクラブ」と語り、プロジェクトの中核を担う姿勢を示した。 (en.psg.fr)
2024-25シーズンのハイライト(要点まとめ)
- CL初制覇:インテルを5-0で撃破し、クラブ史上初のビッグイヤー。左サイドの運搬と背後管理で安定感を供給。 (Reuters)
- 代表で“決勝決定力”:ネーションズリーグ決勝で1G1A、MVP級の働き。 (ウィキペディア)
- 国内安定:リーグ4連覇の陣形で、可変の要として内外レーンを制圧。 (ザ・タイムズ)
まとめ
ヌーノ・メンデスは、縦突破と内側侵入を同時に提示できる“現代型左SBの完成形に最も近い存在”だ。爆発的な推進力で一気に前進し、内側で“もう一人のインサイドハーフ”のように振る舞える。守備でも、背後管理と復帰スプリント、1対1の間合いの詰め方に成熟が見える。
2024-25は、PSGのCL初制覇とポルトガルのネーションズリーグ優勝という二つの頂点で主役級の存在感を発揮。PSGとの長期延長も果たし、今後5年は欧州の左サイドに君臨し続けるだろう。 (Reuters, ウィキペディア, en.psg.fr)