リオネル・メッシがアルゼンチン代表の試合に出場すると、スタジアムを包む大合唱が聞こえてきます。
その代表的な応援歌が、「Muchachos(ムチャーチョス)」です。
2022年カタール・ワールドカップでアルゼンチン代表の非公式アンセムとして世界的に知られ、メッシの悲願だったワールドカップ優勝と強く結びつきました。
ただし、これはメッシの名前を繰り返すだけの個人チャントではありません。
ディエゴ・マラドーナへの敬意、代表が決勝で敗れ続けた記憶、宿敵ブラジルを破った喜び、そしてアルゼンチンに3度目の世界一をもたらしてほしいという願いが、一つの物語として込められています。
さらに、2026年ワールドカップでも「Muchachos」は歌い継がれています。一方で、4度目の世界一を願う新たなチャント「La Cuarta Estrella(4つ目の星)」も登場し、代表選手とサポーターの間で広がりました。(El País)
本記事では、「Muchachos」の原曲や意味、なぜアルゼンチンで特別な歌になったのか、そして2026年大会で生まれた新しい応援歌との違いを解説します。
※著作権に配慮し、歌詞全文や長文の日本語訳は掲載せず、内容を要約して紹介します。
- メッシの応援歌「Muchachos」とは?
- 「Muchachos」の原曲は?
- 歌詞を作ったのは一般のアルゼンチンサポーター
- 「Muchachos」の歌詞は何を歌っている?
- 「ディエゴとリオネル」とは誰?
- なぜマラドーナと家族が登場するのか
- 歌詞に登場する「失った決勝」とは?
- ブラジルをマラカナンで破った意味
- 「3回目の優勝」という願いが2022年に実現
- なぜ2022年ワールドカップで世界的に広まった?
- メッシ自身も「Muchachos」を気に入っていた
- 2026年ワールドカップでも「Muchachos」は歌われている?
- 2026年の新しい応援歌「La Cuarta Estrella」とは?
- 「La Cuarta Estrella」の原曲と作者
- 代表選手が歌ったことで新アンセムに
- 「Muchachos」は新曲に置き換えられた?
- 両方の歌に登場するマルビナスとは?
- 「メッシ、メッシ」と連呼するチャントとは違う?
- インテル・マイアミでも替え歌が作られた
- なぜアルゼンチンではチャントが特別なのか
- 「Muchachos」が特別な応援歌になった理由
- よくある質問
- まとめ
メッシの応援歌「Muchachos」とは?
「Muchachos」は、アルゼンチン代表のサポーターが歌うチャントです。
曲の正式な呼ばれ方は一つに統一されておらず、次のような名称で紹介されることがあります。
- Muchachos
- Muchachos, ahora nos volvimos a ilusionar
- En Argentina nací
- アルゼンチン代表の応援歌
- メッシの応援歌
スペイン語の「muchachos」は、直訳すると「少年たち」「若者たち」という意味です。
ただし、歌の呼びかけとしては「みんな」「仲間たち」と訳したほうが、日本語では自然に伝わります。
「Muchachos」は2022年ワールドカップで、試合中のスタンドだけでなく、街中、ロッカールーム、優勝後のパレードなどでも歌われました。
メッシ個人をたたえる内容を含みながらも、正確にはアルゼンチン代表と同国のサッカー史を歌った応援歌です。
「Muchachos」の原曲は?
「Muchachos」は、サッカーのために一から作曲された楽曲ではありません。
原曲は、アルゼンチンのバンド「La Mosca Tsé-Tsé(ラ・モスカ・ツェツェ)」が2003年に発表した、
「Muchachos, esta noche me emborracho」
という楽曲です。
日本語にすると「みんな、今夜は酔っぱらうぞ」といった意味になります。
明るく繰り返しやすいメロディーだったことから、アルゼンチンでは以前からクラブチームのチャントとして替え歌に使われていました。
そこにアルゼンチン代表の歴史やメッシへの思いを込めた新しい歌詞が付けられ、代表サポーターの応援歌として広がったのです。
つまり、「Muchachos」は、
人気曲のメロディーに、アルゼンチン代表の物語を乗せた替え歌
と考えると分かりやすいでしょう。
歌詞を作ったのは一般のアルゼンチンサポーター
アルゼンチン代表版「Muchachos」の歌詞は、アルゼンチンサッカー協会や有名な作詞家が制作したものではありません。
歌詞の原案を作ったのは、一般のサポーターだったフェルナンド・ロメロ氏です。
ロメロ氏は、長く優勝から遠ざかっていたアルゼンチン代表への思いや、マラドーナへの敬意、2021年のコパ・アメリカ優勝で再び生まれた希望を歌詞にしました。
サポーターが作ったチャントはテレビ番組やSNSを通じて広まり、やがてアルゼンチン代表の選手たちまで歌う国民的な曲になりました。
公式側が先にプロモーションして広げたのではなく、一人のファンによる替え歌が自然発生的に大きくなった点も、この曲の特別なところです。
「Muchachos」の歌詞は何を歌っている?
「Muchachos」の歌詞には、アルゼンチンサッカーの歴史が物語として盛り込まれています。
主なテーマは、次のとおりです。
- アルゼンチンに生まれたことへの誇り
- マラドーナとメッシという2人の英雄
- 過去の決勝で味わった敗北
- 2021年にブラジルを破った喜び
- ワールドカップ3度目の優勝への願い
- 天国から代表を見守るマラドーナ
- マルビナス諸島をめぐる歴史的記憶
単純に「アルゼンチンは強い」「メッシが世界一だ」と歌う内容ではありません。
長い苦しみや敗北を振り返ったうえで、もう一度世界一を信じられるようになった国民の感情が表現されています。
「ディエゴとリオネル」とは誰?
歌詞の冒頭では、アルゼンチンが「ディエゴとリオネルの国」として描かれています。
ディエゴは、ディエゴ・マラドーナ。
リオネルは、リオネル・メッシです。
マラドーナは1986年ワールドカップでアルゼンチンを優勝に導き、同国ではサッカー選手という枠を超えた国民的な象徴となりました。
一方のメッシは、クラブでは数多くのタイトルを獲得しながら、長い間アルゼンチン代表で主要国際大会を制することができませんでした。
そのため、アルゼンチン国内では両者が比較され、
- マラドーナは代表で世界一になった
- メッシはクラブでしか勝てない
と語られた時期もあります。
「Muchachos」は、2人を競わせるのではなく、同じアルゼンチンサッカーの物語を作った英雄として並べています。
この表現によって、マラドーナの時代とメッシの時代が一つにつながりました。
なぜマラドーナと家族が登場するのか
マラドーナは2020年11月に亡くなりました。
その翌年、アルゼンチンはコパ・アメリカを制し、メッシはA代表で初めて主要国際タイトルを獲得しました。
「Muchachos」には、天国にいるマラドーナがメッシや代表チームを見守っているという物語が込められています。
歌詞にはマラドーナだけでなく、両親であるドン・ディエゴとドーニャ・トタも登場します。
そのため、この曲にはメッシへの応援歌という側面だけでなく、亡くなったマラドーナとその家族への追悼歌という性格もあります。
アルゼンチンの人々にとっては、過去の英雄が現在の代表チームを後押ししているように感じられる構成なのです。
歌詞に登場する「失った決勝」とは?
「Muchachos」では、アルゼンチン代表が過去に決勝で敗れ、長い間泣いてきたことが歌われています。
主に意識されているのは、2014年から2016年にかけての3度の決勝敗退です。
| 大会 | 決勝の相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2014年ワールドカップ | ドイツ | 延長戦で敗戦 |
| 2015年コパ・アメリカ | チリ | PK戦で敗戦 |
| 2016年コパ・アメリカ・センテナリオ | チリ | PK戦で敗戦 |
アルゼンチンは3年連続で主要大会の決勝まで進みながら、すべて敗れました。
特に2016年のコパ・アメリカ決勝後、メッシは代表からの引退を表明しています。その後復帰しましたが、「アルゼンチン代表では勝てない」という批判はしばらく残りました。
「Muchachos」が多くの人の胸を打ったのは、栄光だけでなく、そこへたどり着くまでの失敗や絶望も隠さず歌っているからです。
ブラジルをマラカナンで破った意味
曲の物語が大きく変わるのが、2021年のコパ・アメリカです。
アルゼンチンは、ブラジルのマラカナン・スタジアムで行われた決勝で、開催国ブラジルを1-0で破りました。
この勝利により、アルゼンチンは1993年以来となる主要国際タイトルを獲得しました。
そしてメッシにとっても、A代表で初めて手にした主要タイトルとなりました。
長年のライバルであるブラジルを、その象徴的なスタジアムで破ったことは、単なる大会優勝以上の意味を持ちました。
それまでの決勝敗退による悲しみが終わり、
今の代表なら、もう一度ワールドカップで優勝できる
という希望がアルゼンチン国内に生まれたのです。
「Muchachos」は、その感情を歌にしたチャントでした。
「3回目の優勝」という願いが2022年に実現
「Muchachos」が作られた時点で、アルゼンチン代表のワールドカップ優勝は2回でした。
- 1978年アルゼンチン大会
- 1986年メキシコ大会
そこで歌詞では、3回目のワールドカップ優勝を願っています。
そして2022年カタール大会で、アルゼンチンは決勝でフランスを破り、本当に3度目の世界王者となりました。
大会中にサポーターと選手が繰り返し歌った願いが、最後には現実になったのです。
そのため「Muchachos」は、単に人気が出た応援歌ではなく、
2022年ワールドカップ優勝の記憶そのもの
としてアルゼンチンのサッカー文化に残りました。
優勝後には一部の歌詞が変えられ、3度目の世界一を願う内容から、実際にカタールで優勝したことを祝う内容も歌われるようになっています。
なぜ2022年ワールドカップで世界的に広まった?
「Muchachos」は、大会開幕前からアルゼンチン国内で歌われていました。
しかし、世界的に知られる大きなきっかけとなったのが、グループステージのメキシコ戦です。
アルゼンチンは初戦でサウジアラビアに敗れ、メキシコ戦で負ければ敗退の可能性が高まる状況でした。
その重要な試合でメッシが先制点を決め、アルゼンチンは勝利します。
試合後、代表選手たちがロッカールームで「Muchachos」を歌う映像がSNSで拡散されました。
これによって、曲はサポーターだけが歌うチャントではなく、
選手とファンが同じ気持ちを共有するチームのアンセム
として知られるようになりました。
アルゼンチンが勝ち進むにつれて、スタジアム、ドーハの街、国内の広場、ロッカールームなどで大合唱され、優勝への物語と曲が重なっていきました。
メッシ自身も「Muchachos」を気に入っていた
「Muchachos」は、サポーターがメッシへ一方的に歌っていた曲ではありません。
メッシ自身も、大会前から好きな代表チャントの一つとしてこの曲を挙げていました。
代表選手たちもロッカールームや優勝後のセレモニーで歌い、ファンと同じ歌を共有しました。
一般的な応援歌では、スタンドのサポーターが歌い、選手はそれを聞く側になりがちです。
しかし「Muchachos」では、選手もサポーターも同じ歌を歌いました。
この双方向の一体感も、曲が特別な存在になった理由です。
2026年ワールドカップでも「Muchachos」は歌われている?
2026年ワールドカップでも、「Muchachos」は歌い継がれています。
スタンドやファンイベントでは、2022年優勝とメッシの代表キャリアを象徴する定番曲として、アルゼンチンサポーターが引き続き合唱しています。
ただし、2026年大会では最初から最後まで「Muchachos」だけが中心だったわけではありません。
大会序盤では2022年から続く代表曲として歌われましたが、アルゼンチンが勝ち進むにつれて、4度目の世界一を願う新曲「La Cuarta Estrella」の存在感が大きくなりました。(El País)
つまり、「Muchachos」が消えたのではありません。
2026年大会では、
- Muchachos=2022年優勝を象徴する定番曲
- La Cuarta Estrella=2026年大会の新たな応援歌
という形で、複数のチャントが歌われています。
2026年の新しい応援歌「La Cuarta Estrella」とは?
2026年ワールドカップで新たに広まったのが、「La Cuarta Estrella(ラ・クアルタ・エストレージャ)」です。
日本語では「4つ目の星」という意味になります。
代表ユニフォームのエンブレム上に付けられる星は、ワールドカップ優勝回数を表します。
アルゼンチンは2022年大会までに3回優勝しているため、2026年大会で目指すのは4つ目の星です。
曲には、次のような思いが込められています。
- 2022年に続く大会連覇
- 4回目のワールドカップ優勝
- マラドーナへの敬意
- メッシにとって最後になる可能性のあるワールドカップ
- マルビナス諸島への言及
- アルゼンチン代表と国民の結束
「Muchachos」が3度目の優勝を願う歌だったのに対し、「La Cuarta Estrella」は王者として連覇を目指す歌です。
歌詞の立場は変わりましたが、メッシ、マラドーナ、国の歴史を一つの物語にする構成は受け継がれています。(El País)
「La Cuarta Estrella」の原曲と作者
「La Cuarta Estrella」も、既存楽曲のメロディーを利用したチャントです。
使用されているのは、アルゼンチンで広く知られる歌手ギルダの楽曲「No me arrepiento de este amor」のメロディーです。(El País)
新しい歌詞を制作したのは、アルゼンチン・ロサリオ出身の音楽家パブロ・アグスティン・キンタナ氏です。
「Palmito Música」として活動しており、大会に合わせてアルゼンチン代表を応援する曲を発表しました。
アルゼンチンサッカー協会がSNSで紹介したことも、代表サポーターの間で広がるきっかけになりました。(El País)
代表選手が歌ったことで新アンセムに
「La Cuarta Estrella」の人気が急速に高まった理由の一つが、アルゼンチン代表の選手たち自身が歌ったことです。
決勝トーナメントでの勝利後、代表選手たちがロッカールームでこの曲を合唱する様子が広まりました。
これは、2022年大会で「Muchachos」が広まった流れとよく似ています。
サポーターが作った、あるいは歌い始めたチャントを代表選手が共有することで、
ファンの応援歌から、大会を象徴するチームの歌へ変わる
という現象が起きたのです。
2026年大会では、アルゼンチンが勝ち進むにつれて「La Cuarta Estrella」が新しいアンセムとして定着しました。(El País)
「Muchachos」は新曲に置き換えられた?
結論として、完全に置き換えられたわけではありません。
両曲は、それぞれ異なる時代と目標を象徴しています。
| 項目 | Muchachos | La Cuarta Estrella |
|---|---|---|
| 世界的に広まった大会 | 2022年W杯 | 2026年W杯 |
| 当時の目標 | 3度目の世界一 | 4度目の世界一・大会連覇 |
| 中心となる物語 | 長い敗北からの復活 | 王者として次の星を目指す |
| メッシの位置づけ | 初のW杯優勝を目指す英雄 | 最後になる可能性があるW杯を戦う英雄 |
| マラドーナ | 天国からメッシを見守る | 再び代表の歴史を象徴する存在 |
| 2026年の扱い | 優勝の記憶を象徴する定番曲 | 2026年大会の新アンセム |
「Muchachos」は、過去の曲になったわけではありません。
アルゼンチンサポーターにとって、2022年の優勝を思い出す大切な曲として残っています。
そのうえに、2026年の新しい挑戦を歌う「La Cuarta Estrella」が加わったのです。
アルゼンチンの応援文化は、以前のチャントを捨てて新曲へ乗り換えるというよりも、大会ごとの物語を歌として積み重ねていく文化といえるでしょう。
両方の歌に登場するマルビナスとは?
「Muchachos」と「La Cuarta Estrella」には、アルゼンチンで「マルビナス」と呼ばれる島々への言及があります。
英語圏ではフォークランド諸島と呼ばれ、現在はイギリスが実効支配していますが、アルゼンチンも領有権を主張しています。
1982年にはアルゼンチンとイギリスの間で戦争が起こり、両国に多くの犠牲者が出ました。
2026年ワールドカップのアルゼンチン対イングランド戦を前に、アルゼンチンの退役軍人団体は、戦争や領有権問題を憎悪や排外主義につなげず、試合そのものに集中するようサポーターへ呼びかけました。(Reuters)
両曲のマルビナスへの言及は、アルゼンチン国内では歴史、戦没者への記憶、国家意識と結びついています。
一方、イギリス側とは認識が異なる政治的なテーマです。
応援歌を解説するときは、単なるライバル国への挑発と片付けるのではなく、戦争と領有権問題を背景に持つ表現であることも押さえておく必要があります。
「メッシ、メッシ」と連呼するチャントとは違う?
スタジアムでは、「Messi、Messi」とメッシの名前を繰り返すシンプルなコールも聞かれます。
こちらも広い意味ではメッシの応援歌ですが、「Muchachos」とは性格が異なります。
メッシコール
- メッシ個人を直接たたえる
- 歌詞が短く誰でも参加しやすい
- アルゼンチン代表以外でも使われる
- クラブの試合やイベントでも聞かれる
Muchachos
- アルゼンチン代表全体の応援歌
- メッシとマラドーナの両方が登場する
- 過去の敗北や代表の歴史を含む
- 2022年のワールドカップ優勝と結びついている
したがって、「Muchachos」は厳密にはメッシだけの個人チャントではありません。
ただし、メッシの代表キャリアと初のワールドカップ優勝が中心的なテーマであることから、日本では「メッシの応援歌」と紹介されることが多くなっています。
インテル・マイアミでも替え歌が作られた
メッシが2023年にインテル・マイアミへ加入した際には、「Muchachos」のメロディーを使用した歓迎版の楽曲も登場しました。
そのバージョンでは、ロサリオからバルセロナ、パリを経てマイアミへ到着したメッシのキャリアが表現されています。
これは「Muchachos」のメロディーが、アルゼンチン代表だけでなく、メッシ本人を象徴する音楽としても認識されるようになったことを示しています。
ただし、代表版とインテル・マイアミ版では歌詞が異なるため、動画や音源を探すときはバージョンを確認したほうがよいでしょう。
なぜアルゼンチンではチャントが特別なのか
アルゼンチンのサッカー文化において、チャントは単にスタジアムの雰囲気を盛り上げるBGMではありません。
クラブや代表への愛情だけでなく、
- 地域
- 家族
- 社会
- 歴史
- 政治
- 過去の勝敗
- 国民としての記憶
まで歌に盛り込まれます。
有名曲のメロディーに新しい歌詞を付け、チームの物語として歌い継ぐことも珍しくありません。
「Muchachos」が広く支持された理由も、覚えやすいメロディーだけではありません。
マラドーナを失った悲しみ、メッシが批判され続けた苦しさ、決勝敗退の記憶、ブラジルを破った喜び、再び世界一を夢見る感情が、一つの曲にまとめられていたからです。
そして「La Cuarta Estrella」も、その文化を引き継いでいます。
3度目の世界一を夢見る時代から、王者として4つ目の星を目指す時代へ。
代表チームの立場が変わるたびに、新しい歌が生まれるのです。
「Muchachos」が特別な応援歌になった理由
過去の敗北を隠していない
多くの応援歌は、チームの強さや勝利への自信を前面に出します。
しかし「Muchachos」は、決勝で敗れ続けたことや、長い間泣いてきたことも歌っています。
苦しかった時期を共有しているからこそ、その後に生まれた希望や喜びがより強く伝わります。
マラドーナとメッシをつないだ
アルゼンチンでは長年、マラドーナとメッシが比較されてきました。
「Muchachos」は、どちらが優れているかを決めようとはしていません。
2人を同じ国から生まれた英雄として並べ、過去と現在を一つの物語にしました。
願いが本当に実現した
3度目の世界一を願う曲が大会中に大流行し、その大会でアルゼンチンが本当に優勝しました。
歌の内容と現実が重なったことで、「Muchachos」は伝説的なチャントになりました。
2026年にも歌い継がれた
一大会限りの流行曲で終わらず、2026年大会でも歌われたことで、アルゼンチン代表の定番チャントとして定着しました。
新曲「La Cuarta Estrella」が登場しても、「Muchachos」は2022年優勝を象徴する歌として残っています。
よくある質問
Muchachosは日本語でどういう意味?
直訳では「少年たち」「若者たち」です。ただし、応援歌の呼びかけとしては「みんな」「仲間たち」と訳すと自然です。
Muchachosはメッシだけの応援歌?
厳密にはアルゼンチン代表全体の応援歌です。ただし、メッシの代表キャリアとワールドカップ優勝への願いが中心にあるため、「メッシの応援歌」とも呼ばれます。
Muchachosの原曲は?
アルゼンチンのバンドLa Mosca Tsé-Tséが2003年に発表した「Muchachos, esta noche me emborracho」です。
2026年ワールドカップでも歌われた?
はい。2026年大会でも「Muchachos」は、2022年優勝を象徴する定番曲として歌われています。ただし、大会途中からは「La Cuarta Estrella」という新しい応援歌も広まりました。(El País)
La Cuarta Estrellaとはどういう意味?
日本語では「4つ目の星」です。アルゼンチン代表が2026年大会で4回目のワールドカップ優勝を目指すことを表しています。
2026年はどちらの曲が中心?
大会序盤では「Muchachos」も引き続き歌われましたが、アルゼンチンが勝ち進むにつれて、「La Cuarta Estrella」が2026年大会の新アンセムとして広がりました。完全な入れ替わりではなく、両方が異なる意味を持って歌われています。(El País)
まとめ
メッシの応援歌として知られる「Muchachos」は、アルゼンチン代表の歴史と国民の感情を詰め込んだチャントです。
原曲はLa Mosca Tsé-Tséの楽曲で、アルゼンチンサポーターが代表版の歌詞を作りました。
歌の中には、
- マラドーナとメッシへの敬意
- 決勝で敗れ続けた苦しみ
- ブラジルを破った2021年コパ・アメリカ
- 3度目のワールドカップ優勝への願い
- アルゼンチンの歴史と誇り
が込められています。
そして2022年、歌われていた願いどおり、アルゼンチンは3度目の世界王者になりました。
2026年ワールドカップでも「Muchachos」は歌い継がれていますが、新たに4度目の世界一を願う「La Cuarta Estrella」が登場しました。
「Muchachos」が3つ目の星を手にするまでの物語なら、「La Cuarta Estrella」は王者アルゼンチンが次の星を目指す物語です。
アルゼンチンの応援歌は、以前の歌を消して入れ替わるのではありません。
マラドーナからメッシへ、3度目の優勝から4度目の優勝へ。大会ごとの記憶と願いを積み重ねながら、新しい世代へ歌い継がれているのです。






