ワールドカップで、常に主役の一角にいる国があります。
それが、ブラジル代表です。
ブラジルはワールドカップ最多5度の優勝を誇るサッカー王国。さらに、2026年大会で23回目の出場となり、すべてのワールドカップに出場している唯一の国でもあります。
しかし、今回のブラジル代表は、いつものような「圧倒的な優勝候補」とは少し違います。
南米予選では苦しみ、最終的にはCONMEBOL5位で本大会出場を決めました。Sky Sportsも、ブラジルの出場ルートを「南米予選5位」と紹介しています。
それでも、監督はカルロ・アンチェロッティ。
前線にはヴィニシウス・ジュニオール、ハフィーニャ、マテウス・クーニャ、エンドリッキ、そしてネイマール。
守備にはガブリエウ・マガリャンイス、マルキーニョス、ブレーメル。
GKにはアリソンとエデルソン。
不安はある。
でも、タレントはやはり別格です。
本記事では、ブラジル代表の基本情報、ワールドカップ2026の日程、メンバー、注目選手、戦術、グループC突破の可能性まで詳しく解説します。
ブラジル代表の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国名 | ブラジル |
| 愛称 | セレソン |
| 大陸連盟 | CONMEBOL:南米 |
| 監督 | カルロ・アンチェロッティ |
| 2026年大会 | グループC |
| 同組 | モロッコ、ハイチ、スコットランド |
| 前回大会 | 2022年カタールW杯ベスト8 |
| 最高成績 | 優勝:1958年、1962年、1970年、1994年、2002年 |
ブラジル代表は、ワールドカップにおける象徴的な存在です。
ただし、2026年大会へ向かう道のりは決して順調ではありませんでした。The Guardianは、ブラジルが過去最悪級の予選を経験し、アルゼンチン、コロンビア、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビアに敗れたこと、さらに予選で歴史的なホーム敗戦も喫したことを指摘しています。
その流れを変えるために就任したのが、アンチェロッティです。
クラブレベルで数々のタイトルを獲得してきた名将が、ブラジル代表をどう立て直すのか。
ここが今大会最大の注目ポイントです。
ブラジル代表のワールドカップ2026日程
ブラジル代表はグループCで、モロッコ、ハイチ、スコットランドと対戦します。
| 試合 | 対戦カード | 現地日程 | 会場 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | ブラジル vs モロッコ | 2026年6月13日 | ニューヨーク/ニュージャージー |
| 第2戦 | ブラジル vs ハイチ | 2026年6月19日 | フィラデルフィア |
| 第3戦 | スコットランド vs ブラジル | 2026年6月24日 | マイアミ |
The Guardianも、ブラジルのグループC日程として、モロッコ戦、ハイチ戦、スコットランド戦の順に掲載しています。
最大のポイントは、初戦のモロッコ戦です。
モロッコは2022年カタール大会でベスト4に進出したアフリカの強豪。守備が硬く、カウンターも鋭いチームです。ブラジルがボールを持つ展開になっても、焦って中央をこじ開けようとすると、モロッコの守備網に引っかかる可能性があります。
一方で、ハイチ戦とスコットランド戦は、ブラジルとしては勝ち切りたい試合です。
初戦で勝ち点3を取れれば一気に楽になりますが、モロッコ戦で引き分け以下になると、第2戦以降に少しプレッシャーがかかります。

ブラジル代表メンバー一覧
ブラジル代表は、アンチェロッティ監督が2026年ワールドカップに向けた26名のメンバーを発表しました。Al Jazeeraは、ネイマールがメンバー入りし、ヴィニシウス・ジュニオールやハフィーニャも選出されたと報じています。
GK
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| アリソン | リヴァプール |
| エデルソン | フェネルバフチェ |
| ウェヴェルトン | グレミオ |
GK陣は非常に豪華です。
中心候補はアリソンです。
シュートストップ、1対1、クロス対応、安定感のすべてで世界トップクラスのGKです。
エデルソンは足元の技術に優れ、後方からのビルドアップで違いを作れるタイプ。相手のプレスを外す能力を重視するなら、エデルソン起用も十分に考えられます。
DF
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| マルキーニョス | パリ・サンジェルマン |
| ガブリエウ・マガリャンイス | アーセナル |
| ブレーメル | ユヴェントス |
| イバニェス | アル・アハリ |
| レオ・ペレイラ | フラメンゴ |
| ウェズレイ | ローマ |
| ダニーロ | フラメンゴ |
| アレックス・サンドロ | フラメンゴ |
| ドウグラス・サントス | ゼニト |
守備陣の中心は、ガブリエウ・マガリャンイスとマルキーニョスです。
特にガブリエウは、アーセナルで世界トップクラスのCBとして評価を高めている選手です。The Guardianも、ガブリエウが現在のブラジル代表にとって守備の要になる存在だと紹介しています。
一方で、ブラジルの不安はサイドバックです。
かつてのブラジルには、カフー、ロベルト・カルロス、マルセロ、ダニエウ・アウベスのような世界最高級のサイドバックがいました。
しかし、今回のチームはそのポジションに絶対的な選手がいるわけではありません。
The Guardianも、アンチェロッティの4トップ気味の構造では守備的MFがDFラインを支える必要があり、同時にサイドバックの質が懸念点だと指摘しています。
MF
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| カゼミーロ | マンチェスター・ユナイテッド |
| ブルーノ・ギマランイス | ニューカッスル |
| ファビーニョ | アル・イテハド |
| ダニーロ・サントス | ボタフォゴ |
| ルーカス・パケタ | フラメンゴ |
中盤は、ブラジルの試合運びを左右する重要なエリアです。
カゼミーロは守備のフィルター役。
ブルーノ・ギマランイスはボールを前進させる役。
ルーカス・パケタは攻撃に変化を加える役。
ただし、アンチェロッティ体制のブラジルは、伝統的な「中盤で支配するブラジル」というより、前線のスピードを生かして一気にゴールへ向かう色が強くなりそうです。
そのため中盤に求められるのは、華麗なパスワークだけではありません。
前線4枚を支えるバランス、奪われた後のカバー、サイドバックの背後管理。かなり現実的な仕事が求められます。
FW
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| ヴィニシウス・ジュニオール | レアル・マドリード |
| ハフィーニャ | バルセロナ |
| マテウス・クーニャ | マンチェスター・ユナイテッド |
| ルイス・エンリケ | ゼニト |
| イゴール・チアゴ | ブレントフォード |
| エンドリッキ | レアル・マドリード |
| ガブリエウ・マルティネッリ | アーセナル |
| ラヤン | ボーンマス |
| ネイマール | サントス |
前線は、やはりブラジルらしく豪華です。
中心はヴィニシウス・ジュニオールです。
The Guardianは、ヴィニシウスが2026年大会で背番号10を背負い、ブラジル代表のスターとして大会に臨むと紹介しています。
さらに、ハフィーニャ、マルティネッリ、マテウス・クーニャ、エンドリッキと、タイプの違うアタッカーが揃っています。
一方で、ロドリゴとエステヴァンは負傷でメンバー外。Al Jazeeraも、アンチェロッティが北中米で最も痛手になる欠場者としてロドリゴとエステヴァンを挙げています。
ネイマールはメンバー入りしましたが、コンディション面には不安があります。Al Jazeeraは、ネイマールが2023年10月の左膝前十字靭帯断裂以降、完全復調に苦しんできたと伝えています。
さらにThe Guardianは、ネイマールが新たなふくらはぎの負傷により、初戦の先発は難しく、大会全体の出場にも影響する可能性があると報じています。
注目選手①:ヴィニシウス・ジュニオール

ブラジル代表の主役は、ヴィニシウス・ジュニオールです。
レアル・マドリードでは、左サイドから何度も大舞台を壊してきた世界最高クラスのアタッカー。スピード、ドリブル、決定力、勝負どころでのメンタリティを持っています。
ただし、ブラジル代表ではクラブほど圧倒的な数字を残せていません。The Guardianは、ヴィニシウスが代表では47試合8得点7アシストにとどまっており、2026年大会がその評価を変えるチャンスになると指摘しています。
ブラジルが勝ち上がるには、ヴィニシウスが「レアル・マドリードのヴィニシウス」を代表でも再現できるかが重要です。
モロッコ戦では、相手が深く守ってくる可能性があります。
その中でヴィニシウスが左サイドで1対1を作り、ファウルを誘い、PA内へ侵入できるか。ここが初戦の最大の見どころです。
注目選手②:ハフィーニャ
右サイドの主役は、ハフィーニャです。
ハフィーニャは、縦への突破だけでなく、左足で内側に入りながらシュートやラストパスを狙える選手です。
ヴィニシウスが左で相手を引きつけ、逆サイドでハフィーニャが仕留める。これはブラジルにとって理想的な攻撃パターンです。
また、ハフィーニャは守備でもしっかり戻れる選手です。
アンチェロッティが4-2-4に近い攻撃的な形を使うなら、ウイングの守備参加は重要になります。
攻撃の華やかさだけでなく、チームのバランスを保つ意味でも、ハフィーニャの役割はかなり大きいです。
注目選手③:ガブリエウ・マガリャンイス
ブラジルの守備で最も重要なのは、ガブリエウ・マガリャンイスです。
かつてのブラジルは「攻撃陣が凄いから守備は多少崩れても勝てる」というイメージがありました。
しかし、現代サッカーでそれは通用しません。
特にアンチェロッティの4トップ気味の形では、前線に人数をかけるぶん、守備のバランスが崩れるリスクがあります。そこで必要になるのが、後方で広い範囲をカバーできるCBです。
ガブリエウは対人守備、空中戦、左足の配球、セットプレーでの強さを兼ね備えています。
ブラジルが本気で優勝を狙うなら、彼の安定感は不可欠です。
注目選手④:ネイマール
ネイマールは、今大会最大の話題の一つです。
ブラジル代表の歴代最多得点者であり、長くセレソンの顔であり続けた選手。Al Jazeeraも、ネイマールがブラジル代表の歴代最多得点者で、今回のメンバー入りが大きな注目を集めたと伝えています。
ただし、今大会のネイマールは絶対的な中心というより、切り札に近い存在かもしれません。
コンディションが万全であれば、狭いスペースで違いを作れる唯一無二の選手です。
一方で、90分間フル稼働できる状態かどうかは不透明です。
アンチェロッティがネイマールをどのタイミングで使うのか。
先発なのか、途中投入なのか。
それとも大会後半に向けて温存するのか。
ここはブラジル代表の大きな焦点です。
ブラジル代表の戦術|アンチェロッティ式4-2-4と高速カウンター
ブラジル代表の基本形は、4-2-4に近い攻撃的な形が想定されます。
The Guardianは、アンチェロッティが就任後、4-2-4を好んできたと紹介し、本人も「手元にいる選手を考えると、前線4枚で戦うモデルがベスト」と語ったと伝えています。
想定される基本形
ヴィニシウス マテウス・クーニャ ハフィーニャ
ネイマール/エンドリッキ
ブルーノ・ギマランイス カゼミーロ
アレックス・サンドロ ガブリエウ マルキーニョス ダニーロ
アリソン
ただし、実際にはかなり流動的です。
ヴィニシウスは左から中央へ入り、ハフィーニャは右から内側へ。
マテウス・クーニャは9番というより、下がって受けたり、相手CBを引き出したりできます。
エンドリッキは途中出場で一気に流れを変える役割も考えられます。
ブラジルの狙いは、ボール保持だけではありません。
むしろ、アンチェロッティがレアル・マドリードで見せてきたように、奪ってからヴィニシウスへ素早く届ける形が大きな武器になります。The Guardianも、ネイマールが万全でない場合、ブラジルはヴィニシウスのスピードを生かしたカウンターに頼る可能性が高いと見ています。
ブラジル代表の強み
ヴィニシウスという世界最高級の突破口
ブラジル最大の強みは、左サイドにヴィニシウスがいることです。
ワールドカップのような短期決戦では、チーム全体の完成度だけでなく、1人で局面を壊せる選手が必要です。ヴィニシウスはまさにそのタイプです。
アンチェロッティの勝負強さ
アンチェロッティは、世界最高峰の舞台で勝ち方を知っている監督です。
The Guardianは、アンチェロッティがクラブ監督としてチャンピオンズリーグを5度制した名将であり、ブラジル代表で新たな挑戦に臨んでいると紹介しています。
ブラジルはタレントが多い一方で、近年は大舞台で勝ち切れない印象もあります。
その課題を解決するうえで、アンチェロッティの経験値は非常に大きいです。
GKとCBの質が高い
アリソン、エデルソン、ガブリエウ、マルキーニョス、ブレーメル。
後方の個の質は非常に高いです。
攻撃的なチームに見えますが、守備の個人能力も十分にあります。
ブラジル代表の不安要素
南米予選での不安定さ
最大の不安は、予選で見せた不安定さです。
ブラジルはワールドカップ常連国ですが、今回の予選ではかなり苦しみました。The Guardianは、ブラジルが予選中に複数の敗戦を喫し、ドリヴァウ・ジュニオール監督の解任後にアンチェロッティが就任した流れを紹介しています。
ネイマールのコンディション
ネイマールが万全なら、ブラジルの攻撃は一段階上がります。
しかし、現在は負傷の影響もあり、どこまでプレーできるか不透明です。
彼を中心に据えるのか、切り札として使うのか。ここを間違えると、チーム全体のバランスにも影響します。
サイドバック問題
かつてのブラジルは、サイドバックが攻撃の大きな武器でした。
しかし今回のチームでは、サイドバックの攻撃力や守備の安定感が大きなテーマになります。
前線4枚を使うなら、サイドバックが無理に上がりすぎる必要はありませんが、そのぶん守備のポジショニングやカウンター対応が重要になります。
グループC突破の可能性は?

ブラジルのグループ突破の可能性は高いです。
ただし、グループCは決して楽ではありません。
モロッコは2022年大会ベスト4。
スコットランドは堅実な組織力がある。
ハイチも勢いに乗ると怖い存在です。
Sky Sportsは、2026年大会の形式として、各組上位2チームに加え、3位のうち成績上位8チームもラウンド32へ進出すると説明しています。
ブラジルの理想的なシナリオは以下です。
- モロッコ戦:勝ち点3を取って主導権を握る
- ハイチ戦:得失点差も意識して勝ち切る
- スコットランド戦:首位通過を決める
最も重要なのは初戦です。
モロッコ戦で勝てれば、ブラジルは一気に楽になります。
逆にここで引き分け以下になると、グループCはやや面倒な展開になります。
まとめ|ブラジル代表は“王国の看板”を取り戻せるか
ブラジル代表は、2026年ワールドカップでも間違いなく注目のチームです。
ヴィニシウス・ジュニオール。
ハフィーニャ。
ネイマール。
エンドリッキ。
ガブリエウ・マガリャンイス。
アリソン。
タレントは揃っています。
しかし、今回のブラジルは「絶対的な優勝候補」と言い切れるほど安定しているわけではありません。
予選での苦戦。
ネイマールのコンディション。
サイドバックの不安。
ロドリゴとエステヴァンの不在。
それでも、アンチェロッティがこのチームをまとめ上げ、ヴィニシウスの爆発力を最大化できれば、ブラジルは一気に優勝候補の中心へ戻ってくるでしょう。
王国は、再び世界の頂点へ返り咲けるのか。
2026年大会のブラジル代表は、期待と不安が同居する、非常に見逃せないチームです。



