2026年北中米ワールドカップで、静かに不気味な存在になりそうな欧州の強豪がいます。
それが、ベルギー代表です。
ベルギーといえば、近年は「黄金世代」のイメージが強い国でした。
ケヴィン・デ・ブライネ、ロメル・ルカク、ティボー・クルトワ、エデン・アザール、ヤン・フェルトンゲン、トビー・アルデルヴァイレルト、ヴァンサン・コンパニ。
2018年ロシアワールドカップでは3位に入り、世界の頂点に最も近いチームの一つと見られていました。
しかし、2026年のベルギーは少し違います。
黄金世代の多くはすでに代表を去り、チームは新しい段階へ進んでいます。
それでも、デ・ブライネ、ルカク、クルトワは健在。さらにジェレミー・ドク、シャルル・デ・ケテラーレ、アマドゥ・オナナ、アルトゥール・テアテらがチームの中心に入り、ベルギーは“次の形”を探しています。
ベルギーは2026年大会でグループGに入り、エジプト、イラン、ニュージーランドと対戦します。Sky Sportsも、グループGはベルギー、エジプト、イラン、ニュージーランドで構成されると紹介しています。
本記事では、ベルギー代表の基本情報、ワールドカップ2026の日程、メンバー、注目選手、戦術、グループ突破の可能性まで詳しく解説します。

ベルギー代表の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国名 | ベルギー |
| 愛称 | レッドデビルズ |
| 大陸連盟 | UEFA:ヨーロッパ |
| 監督 | ルディ・ガルシア |
| 2026年大会 | グループG |
| 同組 | エジプト、イラン、ニュージーランド |
| 前回大会 | 2022年カタールW杯グループステージ敗退 |
| 最高成績 | 3位:2018年ロシア大会 |
ベルギーはUEFA予選グループJを首位で通過し、本大会出場を決めました。Sky Sportsは、ベルギーの出場ルートを「UEFA Group J winners」、最高成績を2018年大会3位、FIFAランキングを9位と整理しています。
ただし、今大会のベルギーを単純な優勝候補として見るのは少し違います。
攻撃陣には、まだ世界レベルのタレントがいます。
デ・ブライネのパス、ドクの突破、ルカクの得点力、トロサールやデ・ケテラーレの柔軟性。
一方で、守備陣はかつてほど盤石ではありません。The Guardianも、現在のベルギーについて、攻撃にはデ・ブライネ、ドク、ルカクという違いを作れる選手がいる一方、クルトワを除けば守備は弱点になり得ると分析しています。
つまり、2026年のベルギーは、攻撃力で試合を動かしながら、守備の不安をどこまで隠せるかがテーマになります。
ベルギー代表のワールドカップ2026日程
ベルギー代表はグループGで戦います。
| 試合 | 対戦カード | 現地日程 | 会場 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | ベルギー vs エジプト | 2026年6月15日 | シアトル |
| 第2戦 | ベルギー vs イラン | 2026年6月21日 | ロサンゼルス |
| 第3戦 | ニュージーランド vs ベルギー | 2026年6月27日 | バンクーバー |
Sky Sportsは、ベルギーのグループG日程として、6月15日にエジプト、6月21日にイラン、6月27日にニュージーランドと対戦すると掲載しています。
初戦のエジプト戦は、かなり重要です。
エジプトにはモハメド・サラー、オマル・マルムシュといった危険なアタッカーがいます。ベルギーがボールを持つ展開になっても、サラーのカウンターを受けると一気にピンチになります。
第2戦のイランは、守備の粘りとメフディ・タレミの決定力がある相手。
第3戦のニュージーランドは、クリス・ウッドを中心にロングボールとセットプレーで勝負してくる可能性があります。
ベルギーとしては、理想は最初の2試合で勝ち点4以上。
エジプト戦で勝てれば、グループ突破はかなり近づきます。
ベルギー代表メンバー一覧
ルディ・ガルシア監督は、2026年ワールドカップに向けた26名のメンバーを選出しています。Sky Sportsのスカッドリストでは、クルトワ、デ・ブライネ、オナナ、ルカク、ドク、トロサール、デ・ケテラーレらが選出されています。
GK
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| ティボー・クルトワ | レアル・マドリード |
| センネ・ラメンス | マンチェスター・ユナイテッド |
| マイク・ペンデルス | ストラスブール |
GKの中心は、ティボー・クルトワです。
クルトワは、ベルギー代表に残る最大級の安心材料です。
2018年大会でも世界トップクラスのパフォーマンスを見せ、レアル・マドリードでも数々のビッグマッチを経験してきました。
ベルギーの守備陣には不安があります。
だからこそ、最後方にクルトワがいる意味は大きいです。
グループステージでは、エジプトのサラー、イランのタレミ、ニュージーランドのウッドと、タイプの違うストライカーと向き合います。クルトワが1試合に1本、決定的なシュートを止められるかどうかが、勝ち点に直結する可能性があります。
DF
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| ティモシー・カスターニュ | フラム |
| ゼノ・デバスト | スポルティング |
| マキシム・デ・カイパー | ブライトン |
| コニ・デ・ヴィンター | ACミラン |
| ブランドン・メヘレ | クラブ・ブルージュ |
| トーマス・ムニエ | リール |
| ナタン・ンゴイ | リール |
| ホアキン・セイス | クラブ・ブルージュ |
| アルトゥール・テアテ | フランクフルト |
守備陣は、今回のベルギーで最も不安の大きいエリアです。
かつてのベルギーには、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、コンパニという圧倒的な経験値を持つ守備陣がいました。現在はその時代から大きく変わり、若手と中堅を組み合わせながら形を作っている段階です。
中心候補は、アルトゥール・テアテ、ゼノ・デバスト、コニ・デ・ヴィンター、カスターニュあたりです。
注目したいのはマキシム・デ・カイパーです。The Guardianは、デ・カイパーについて、攻撃面での貢献が大きく、ガルシア体制ではコンディションが整っていれば先発を続けてきた存在だと紹介しています。
ベルギーが守備的に引きすぎると、前線のタレントを生かしきれません。
しかし、ラインを上げすぎると守備の背後を突かれるリスクがあります。
このバランスが、ガルシア監督にとって最大の悩みどころです。
MF
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| ケヴィン・デ・ブライネ | ナポリ |
| アマドゥ・オナナ | アストン・ヴィラ |
| ニコラス・ラスキン | レンジャーズ |
| ユーリ・ティーレマンス | アストン・ヴィラ |
| ハンス・ファナケン | クラブ・ブルージュ |
| アクセル・ヴィツェル | ジローナ |
中盤の中心は、やはりケヴィン・デ・ブライネです。
デ・ブライネは、ベルギー代表の攻撃における最大の頭脳です。
一本のパスで相手の守備ラインを壊せる選手であり、クロス、スルーパス、ミドルシュート、セットプレーのすべてで違いを作れます。
ただし、デ・ブライネだけに依存すると、相手に対策されやすくなります。
そこで重要になるのが、アマドゥ・オナナとティーレマンスです。
オナナはフィジカル、ボール奪取、空中戦でチームに強度を与えます。
ティーレマンスは配球と試合の落ち着きをもたらす選手です。
この3人のバランスが整えば、ベルギーは攻撃力と安定感を両立できます。
FW
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| シャルル・デ・ケテラーレ | アタランタ |
| ジェレミー・ドク | マンチェスター・シティ |
| マティアス・フェルナンデス=パルド | リール |
| ロメル・ルカク | ナポリ |
| ドディ・ルケバキオ | ベンフィカ |
| ディエゴ・モレイラ | ストラスブール |
| アレクシス・サーレマーケルス | ACミラン |
| レアンドロ・トロサール | アーセナル |
前線は、ベルギー最大の武器です。
中心はジェレミー・ドクです。
The Guardianは、ドクを現在のベルギー代表で最も人気のある選手と紹介し、スピードだけでなくクロス精度や得点力も成長していると伝えています。
そして、もう一人の大きな存在がロメル・ルカクです。
ルカクはベルギー代表歴代最多得点者です。Reutersは、2026年6月2日のクロアチアとの親善試合でルカクが代表通算90点目を記録し、ベルギーの2-0勝利に貢献したと報じています。
ただし、ルカクにはコンディション面の不安もあります。The Guardianは、ルカクがナポリで今季64分しかプレーしておらず、負傷の影響で代表でもクロアチア戦まで出場がなかったと指摘しています。
そのため、ベルギーの攻撃は「ルカクが万全なら強い」ではなく、ドク、デ・ブライネ、トロサール、デ・ケテラーレをどう組み合わせるかが重要になります。
注目選手①:ジェレミー・ドク
今のベルギー代表で最も相手に恐怖を与える選手は、ジェレミー・ドクです。
ドクの魅力は、とにかく1対1です。
左サイドでボールを受けると、相手DFは後退せざるを得ません。縦に行くのか、内側へ切れ込むのか、ワンテンポ止めてから再加速するのか。守る側からすると、タイミングを合わせるのが非常に難しい選手です。
マンチェスター・シティでの経験によって、以前よりプレー選択も整理されてきました。
ただ速いだけではなく、味方を使う判断、クロスのタイミング、ファーサイドへの折り返しも向上しています。
ベルギーがグループGを突破するには、ドクが左サイドで相手を壊せるかどうかが大きなポイントです。
注目選手②:ケヴィン・デ・ブライネ
ケヴィン・デ・ブライネは、ベルギー代表の脳です。
彼がボールを持った瞬間、ピッチの見え方が変わります。
普通の選手なら横に逃がす場面でも、デ・ブライネは縦の急所を見つけます。相手DFとGKの間、CBとSBの間、ボランチの背後。そこに一撃でボールを通せるのが彼の凄さです。
ベルギーが相手に守られたとき、頼りになるのはデ・ブライネの右足です。
エジプトやイランが低いブロックを組んできた場合、ドクの突破だけでは崩し切れない時間帯も出てくるはずです。そこでデ・ブライネがミドルパス、クロス、セットプレーで局面を動かせるかが鍵になります。
一方で、年齢的に90分間ハイテンポで動き続けるのは簡単ではありません。
ガルシア監督は、デ・ブライネをどの位置で使い、どれだけ守備負担を軽くするかを考える必要があります。
注目選手③:ロメル・ルカク
ロメル・ルカクは、ベルギー代表の歴史そのものと言っていいストライカーです。
代表通算90得点という数字は圧倒的です。
フィジカル、ポストプレー、左足のフィニッシュ、ゴール前での存在感。万全なら、グループGのどの相手に対しても脅威になります。
ただし、2026年大会のルカクは、少し扱いが難しい存在でもあります。
試合勘に不安がある。
コンディションに波がある。
90分間フル稼働できるかは読みにくい。
だからこそ、ルカクは“絶対的な先発”というより、試合展開によって使い方を変えるべき選手かもしれません。
相手が低く守るなら、ターゲットマンとして先発。
スペースがあるなら、デ・ケテラーレやトロサールを中央に置いて流動性を出す。
終盤に高さとパワーが必要なら、ルカクを投入して押し込む。
この使い分けができれば、ベルギーの攻撃はかなり怖くなります。
注目選手④:ティボー・クルトワ
守備面で最も重要なのは、ティボー・クルトワです。
現在のベルギーは、前線のタレントに比べると守備陣に不安があります。
だからこそ、GKのクルトワの存在が非常に大きいです。
クルトワは、相手に決定機を作られた場面でも最後に止められるGKです。
特にワールドカップのような短期決戦では、GKのビッグセーブが1試合の結果を変えます。
ベルギーが優勝候補というより“ダークホース寄りの強豪”に見えるのは、守備に不安があるからです。
しかし、その不安をクルトワがどこまで消せるかによって、チームの評価は大きく変わります。
ベルギー代表の戦術|4バック+ミドルブロックから攻撃の個を生かす
ベルギー代表の基本形は、4-2-3-1または4-3-3が想定されます。
ガルシア監督は、攻撃の選手を犠牲にしたくないという考えから、5バックではなく4バックを選ぶ傾向があります。The Guardianも、ガルシア監督が「5人のDFを置くと攻撃の選手を犠牲にしなければならない」と考えており、通常は4バックを選ぶと紹介しています。
想定される基本形
ルカク
ドク デ・ブライネ トロサール
オナナ ティーレマンス
デ・カイパー テアテ デバスト カスターニュ
クルトワ
または、より流動的に戦う場合は以下のような形も考えられます。
デ・ケテラーレ
ドク デ・ブライネ ルケバキオ
オナナ ティーレマンス
デ・カイパー テアテ デ・ヴィンター カスターニュ
クルトワ
ベルギーは、前から激しく奪いに行き続けるチームというより、ミドルブロックで構えながら、奪った後にドクやデ・ブライネへ素早く展開する形が向いています。
The Guardianも、ガルシア監督は守備陣に過度な負担をかけないため、攻撃を支えるミドルブロックを選ぶ傾向があると説明しています。
ベルギーの攻撃の狙いは明確です。
- ドクの左サイド突破
- デ・ブライネの縦パスとクロス
- ルカクのポストプレー
- トロサールの内側への侵入
- デ・カイパーの攻撃参加
- オナナのセカンドボール回収
ただし、問題は守備です。
攻撃時にサイドバックが高く上がると、背後を狙われます。
特にエジプト戦では、サラーのカウンター対応が最大の課題になります。
ベルギー代表の強み
攻撃の個が強い
ベルギー最大の強みは、攻撃の個です。
ドクは1対1で相手を壊せる。
デ・ブライネは一本のパスで試合を変えられる。
ルカクはゴール前で圧力をかけられる。
トロサールとデ・ケテラーレは複数ポジションをこなせる。
この攻撃陣は、グループGの中でもかなり強力です。
クルトワがいる安心感
守備陣に不安があるとはいえ、GKにクルトワがいるのは大きいです。
強豪国でも、GKが安定しているチームは大会で崩れにくいです。
ベルギーは押し込まれる時間帯があっても、クルトワのセーブで耐えられる可能性があります。
グループGの組み合わせは悪くない
エジプト、イラン、ニュージーランドは難敵ですが、ベルギーが突破を狙ううえでは悪くない組み合わせです。
特に48カ国制の今大会では、各組上位2チームに加え、3位のうち成績上位8チームもラウンド32へ進出します。Sky Sportsも、この大会方式を説明しています。
ベルギーとしては、首位通過も十分に狙えるグループです。
ベルギー代表の不安要素
守備陣の世代交代
最大の不安は守備です。
かつてのベルギーは、DFラインに経験とリーダーシップがありました。
しかし現在は、黄金世代の守備陣が退き、新しい選手たちがその穴を埋めようとしている段階です。
クルトワがいるとはいえ、決定機を作られ続ければ限界があります。
ルカクのコンディション
ルカクは圧倒的な実績を持つ選手ですが、試合勘には不安があります。
Reutersが報じたクロアチア戦でのゴールは明るい材料ですが、大会を通じてどこまで継続的にプレーできるかは別問題です。
ルカクに依存しすぎると、彼の状態にチーム全体が左右されてしまいます。
デ・ブライネへの依存
デ・ブライネは別格です。
ただし、彼が封じられたとき、ベルギーが別の形で攻撃を作れるかは大きな課題です。
ドクの突破、トロサールの動き、デ・ケテラーレの柔軟性で、攻撃ルートを複数持つことが重要になります。
グループG突破の可能性は?
ベルギーのグループ突破の可能性は高いです。
戦力的にはグループGの本命と見てよいでしょう。
ただし、エジプトとイランは簡単な相手ではありません。
ベルギーの理想的なシナリオは以下です。
- エジプト戦:サラーのカウンターを抑えて勝ち点3
- イラン戦:粘る相手を崩して連勝を狙う
- ニュージーランド戦:首位通過を確定させる
特に初戦のエジプト戦が重要です。
ここで勝てれば、グループ突破へかなり有利になります。
逆に初戦で勝ち点を落とすと、イラン戦が非常に重い試合になります。
ベルギーは攻撃力ではグループ最上位です。
ただし、守備の不安を突かれれば、思った以上に苦戦する可能性もあります。
まとめ|ベルギー代表は“黄金世代の終わり”ではなく“次の形”を証明できるか
ベルギー代表は、2026年ワールドカップで非常に興味深いチームです。
かつての黄金世代は、もうほとんど残っていません。
しかし、デ・ブライネ、ルカク、クルトワという柱はまだいる。
そして、ドク、オナナ、デ・ケテラーレ、デ・カイパーら新しい力も出てきています。
問題は、これを一つのチームとしてまとめられるかです。
攻撃は強い。
GKも強い。
でも、守備は不安。
このバランスの悪さが、今のベルギーの面白さでもあり、怖さでもあります。
グループGでは首位通過を狙える戦力です。
ただし、本当に上位へ進むには、守備の安定とルカクのコンディション、そしてデ・ブライネ以外の攻撃ルートが必要になります。
レッドデビルズは、黄金世代の余韻を超えて、新しいベルギー代表の姿を見せられるのか。
2026年大会のベルギー代表は、優勝候補というより、一気に波に乗れば怖いダークホースとして注目したいチームです。





