フランコ・マスタントゥオーノのプレースタイル解説:”ベルナベウに現れた“間合いの魔術師”

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アルゼンチン・リーベルのアカデミーから現れ、16歳でクラブ最年少得点記録を更新。18歳の誕生日(2025年8月14日)にレアル・マドリー加入が正式発表され、その直後にラ・リーガ開幕戦で電撃デビュー——そんな“超特急の階段”を駆け上がっているのが、フランコ・マスタントゥオーノです。
左利きでありながら主戦場は右サイド。狭い局面での間合い作りと身体の向きを使ったターン、そしてボールストライクの鋭さ(FK/ミドル/ラストパス)が大きな武器。移籍金は固定4500万ユーロ規模と報じられ、近未来の主役候補として欧州中の注目を浴びています。


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基本情報(最新データ)

項目内容
選手名(英語)Franco Mastantuono
(フランコ・マスタントゥオーノ)
生年月日/年齢2007年8月14日(18歳 ※2025年現在)
身長(cm)177cm
国籍アルゼンチン
(イタリアの国籍も保有と報道あり)
ポジション右ウイング/攻撃的MF(左利き)
所属クラブ(国名)レアル・マドリー(スペイン)
(2025年8月加入)
市場価値30.0m €(※2025/06/02時点)

補足:レアル・マドリー移籍はクラブ公式・主要メディアが発表。契約は2031年まで。
(Real Madrid CF | Web Oficial, トランスファーマーケット)


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プレースタイル

右サイドから“内”へ——左利きのインサイド型クリエイター

マスタントゥオーノは左足主導の右ウイング/10番型。右から内へ運びながらハーフスペースで前向きの一撃(スルーパス/ミドル/クロスへの持ち替え)を選ぶのが基本線です。スカウティングレポートや分析サイトも、右WGとトップ下の兼務を繰り返し指摘しています。 (datamb.football, The Football Analyst)

密集を解く“間合い”とターン——クローズドリブルの巧さ

狭い局面でも足元のタッチが短く、身体の向きで相手を外すのが上手い。相手の寄せを一拍“いなす”ようにかわし、縦・内のどちらにも抜け道を作ります。レアル専門メディアの観察記でも、ディ・マリアを想起させる近距離のボールコントロールが強調されています。 (Managing Madrid)

ボールストライクの質——FK/ミドル/通すパス

ユース指導者は**“ボールストライク(当て方)の良さ”を高く評価。直接FKの威力や一発で裏を通すキックはすでにトップレベルの片鱗です。2025年4月のスーペルクラシコでの直接FK弾**は、その象徴的なハイライト。 (ウィキペディア, mundoalbiceleste.com)

視野と空間認知——“ゆったり”見えて一瞬で刺す

スペイン語圏の詳細レポートでは、空間認知と落ち着きが特筆点。いわゆる“ゆとり”のある間合いで相手を誘い、一足先の解(内通し・逆サイド展開)を選べるタイプです。 (breakingthelines.com)

守備と切り替え——前線からの能動的プレス

前向きの守備ではボールサイドに寄せる初動の速さカバーシャドーでの限定が目立ちます。ボールロスト後の即時奪回の意識も強め。攻撃特性が目立つ選手ながら、現時点でも前線のファーストディフェンスとして機能できます。 (footballtalentscout.net)

弱点と伸びしろ——右足・対人強度・継戦性

課題は主に3点。(1)右足の使い分け(精度・選択肢の拡張)、(2)対人での肩周りの強度、(3)シーズンを通した強度維持。テクニックは完成度が高い一方で、両足化とフィジカルの上積みが加われば“外→内”の予見性を打破し、より“止めづらい”選手になります。 (thescoutingapp.com)

最適ポジションと起用像

  • 4-3-3の右WG:左足で内に持ち、逆足カットイン→シュート/スルーパス
  • 4-2-3-1の中央(10番)前線と中盤の“受け手/出し手”のハブとして機能。
  • ビルドアップの“3人目”内側のレーンで針の穴を通すタイプのため、IH的に使う可変も有効。 (datamb.football)

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エピソードとハイライト

16歳でリーベル史上最年少得点を樹立(2024)

2024年2月7日、コパ・アルヘンティーナのエクスクルシオニスタス戦でプロ初得点。16歳5か月24日でのゴールはクラブ最年少記録で、ハビエル・サビオラの記録を更新しました。 (FIFA, Buenos Aires Herald)

2024-25:スーペルクラシコでの直接FK弾(2025/4/27)

ボカ相手の大一番で壁の外側に巻いた左足FKを突き刺して勝利に貢献。モニュメンタル史上最多の観衆を前に、**“大舞台で決め切る胆力”**を見せつけました。 (beIN SPORTS, mundoalbiceleste.com)

2024-25:リベルタドーレスで存在感(2025春)

グループBでの主導権確保に貢献と報じられ、欧州行き前に南米の舞台で力量を示した形に。 (beIN SPORTS)

2025:FIFAクラブW杯での“予告編”

2025年夏の米国大会でリーベルの一員として出場し、**レアル内定の“未来の主力候補”**として注目を浴びました。 (FIFA, SI)

2025:レアル・マドリーデビュー(ラ・リーガ開幕戦 vs オサスナ)

18歳の誕生日直後、ベルナベウ開幕戦で途中出場。登録区分(カスティージャ扱い)を巡る議論もありましたが、規定の範囲内と報じられつつデビューを果たしています。 (Diario AS)

“誰に似ている?”—メディアの比較と反響

スペイン・アルゼンチンの複数メディアはジダンディ・マリアとの共通点に言及。近距離のドリブル美学と左足に“既視感”を覚えるという評価が広がっています。 (Diario AS, Managing Madrid)


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2024-25シーズンの主なハイライト(時系列)

  • 2024/02/07:コパ・アルヘンティーナでプロ初得点。リーベル最年少得点記録を更新。
  • 2025/04/27スーペルクラシコで直接FK弾。試合は2–1でリーベル勝利。
  • 2025/05/09:リベルタドーレスのグループBで勝点リードを広げる試合で存在感。
  • 2025/06月クラブW杯2025にリーベルの一員として出場、好プレーで話題に。
  • 2025/06/13:レアル・マドリーが加入合意を公式発表
  • 2025/08/14:18歳の誕生日に正式加入&メディアお披露目
  • 2025/08/19:ラ・リーガ開幕戦オサスナ戦でデビュー。登録方法を巡る議論も。

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総評(まとめ)

“テンポを自分のものにする”18歳。
マスタントゥオーノは、スピード勝負でぶっちぎるタイプではありません。むしろ間合いとリズムのコントロールで相手を外し、左足の高精度キックで一撃を加える——そんな“テンポ制御型レフティ”。右から内へ入る定番のアクションは、両足化と対人強度の増強でさらに止めづらくなります。

レアル・マドリーでは右サイドの競争が熾烈ですが、途中出場での流れ変え第二列での創造性はすぐにでも武器になります。18歳にして大一番(スーペルクラシコ)で決め切る胆力を示したこと、クラブW杯でも臆さなかったことは、将来の主軸化を占う上で心強い材料です。今後2〜3年で、右足の運用/反転のバリエーション/連戦での強度維持が伸びれば、ラ・リーガでも**“右からゲームを決める左利き”**として確固たる地位を築くはずです。

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