2026年北中米ワールドカップで、日本代表と同じグループFに入った国があります。
それが、チュニジア代表です。
チュニジアはアフリカ予選を9勝1分、22得点0失点という驚異的な成績で突破しました。Qatar News Agencyは、チュニジアが予選で28ポイントを獲得し、全参加国の中で唯一、予選を通じて無失点だったと伝えています。
派手なスター軍団ではありません。
しかし、守備の規律、球際の強さ、試合を壊さない粘り強さは本物です。
しかも、今回のチュニジアは日本と対戦します。
オランダ、スウェーデン、日本、チュニジアが同居するグループFは、突破争いがかなり読みづらい組になりました。QNAも、チュニジアがグループFでオランダ、日本、スウェーデンと対戦すると報じています。
本記事では、チュニジア代表の基本情報、ワールドカップ2026の日程、メンバー、注目選手、戦術、日本戦のポイント、グループ突破の可能性まで詳しく解説します。

チュニジア代表の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国名 | チュニジア |
| 愛称 | カルタゴの鷲 |
| 大陸連盟 | CAF:アフリカ |
| 監督 | サブリ・ラムシ |
| 2026年大会 | グループF |
| 同組 | オランダ、日本、スウェーデン |
| ワールドカップ出場 | 7回目 |
| 最高成績 | グループステージ |
チュニジア代表は、アフリカの中でも安定感のあるチームです。
ワールドカップではまだ決勝トーナメント進出がありませんが、出場経験は豊富です。QNAによると、チュニジアは1978年、1998年、2002年、2006年、2018年、2022年に出場しており、2026年大会が7回目の出場になります。
今回のテーマは明確です。
「堅守の国が、ついにグループステージを突破できるか」
これに尽きます。
チュニジア代表のワールドカップ2026日程
チュニジア代表はグループFに入りました。
| 試合 | 対戦カード | 現地日程 | 会場 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | チュニジア vs スウェーデン | 2026年6月14日 | モンテレイ |
| 第2戦 | チュニジア vs 日本 | 2026年6月20日 | モンテレイ |
| 第3戦 | チュニジア vs オランダ | 2026年6月25日 | カンザスシティ |
The Guardianの大会ガイドでも、チュニジアはスウェーデン、日本、オランダの順に対戦すると紹介されています。
日本の読者にとって最大の注目は、もちろん第2戦の日本 vs チュニジアです。
日本から見ると、チュニジアは「勝たなければいけない相手」と見られがちかもしれません。
しかし、それはかなり危険な見方です。
チュニジアは、相手の良さを消すことに長けたチームです。
日本がボールを持つ時間は作れても、ゴール前を固められ、焦ってクロスやミドルに逃げる展開になると、かなり苦しくなります。
チュニジア代表メンバー一覧
サブリ・ラムシ監督は、2026年ワールドカップに向けた26名のメンバーを選出しています。Transfermarktの2026年版スカッドでは、チュニジア代表は26人構成で、平均年齢26.6歳、海外クラブ所属選手が20人という構成になっています。
GK
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| アブデルムヒブ・シャマフ | クラブ・アフリカン |
| アイメン・ダーメン | CSスファクシアン |
| サブリ・ベン・ハッセン | エトワール・サヘル |
GKは国内組中心です。
派手な世界的スターがいるわけではありませんが、チュニジアの守備はGK個人のスーパーセーブに依存するというより、チーム全体でシュートコースを限定する形が強みです。
予選10試合無失点という数字は、GKだけでなく、最終ライン、中盤、前線の守備意識が揃っていた証拠です。
DF
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| モンタサル・タルビ | ロリアン |
| アデム・アルース | カスムパシャ |
| ディラン・ブロン | セルヴェット |
| ラエド・シカウイ | USモナスティル |
| オマル・レキク | マリボル |
| アリ・アブディ | ニース |
| モハメド・アミン・ベン・ハミダ | エスペランス・チュニス |
| ヤン・ヴァレリ | ヤングボーイズ |
| ムータズ・ネファティ | IFKノルシェーピン |
守備陣の中心は、モンタサル・タルビです。
タルビは空中戦、対人守備、ライン統率に優れたセンターバックで、チュニジアの守備ブロックを支える存在です。左サイドではアリ・アブディも重要です。The Guardianは、アブディを“縁の下の力持ち”的な存在として取り上げ、守備と攻撃の両面で貢献してきた選手だと紹介しています。
日本戦では、アブディとヤン・ヴァレリの両サイドバックがどこまで日本のサイド攻撃を止められるかが大きなポイントになります。
MF
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| エリス・スキリ | フランクフルト |
| ラニ・ケディラ | ウニオン・ベルリン |
| モハメド・ベルハジ・マフムード | ルガーノ |
| アニス・ベン・スリマン | ノリッジ・シティ |
| ハンニバル・メイブリ | バーンリー |
中盤の核は、エリス・スキリとハンニバル・メイブリです。
スキリは守備的MFとして、チームのバランスを整える選手です。ボール奪取、セカンドボール回収、危険なスペースの管理に優れ、チュニジアの堅守を中盤から支えます。
一方、攻撃面で最も期待されるのがハンニバルです。The Guardianは、ハンニバルを現在のチュニジア代表の顔になりつつある選手と紹介し、ワールドカップ2022では10分間の出場にとどまったものの、現在はチームの中心的存在になったと伝えています。
日本戦で最も警戒すべきなのは、スキリがボールを奪い、ハンニバルが前を向く瞬間です。
FW
| 選手名 | 所属クラブ |
|---|---|
| イスマエル・ガルビ | アウクスブルク |
| セバスティアン・トゥネクティ | セルティック |
| エリアス・アシュリ | コペンハーゲン |
| エリアス・サード | ハノーファー |
| モルタダ・ベン・ウアネス | カスムパシャ |
| ハリル・アヤリ | PSGエスポワール |
| フィラス・シャワット | クラブ・アフリカン |
| ハゼム・マストゥーリ | ディナモ・マハチカラ |
| ラヤン・エルーミ | バンクーバー・ホワイトキャップス |
前線で注目したいのは、イスマエル・ガルビです。
PSGの育成組織で育った攻撃的MF/ウイングで、狭いスペースでボールを受け、ターンやドリブルで違いを作れるタイプです。The Guardianも、ガルビを「One to watch」として紹介し、ラムシ監督が信頼を寄せてワールドカップメンバーに入れた選手だと伝えています。
また、ロイターは、ラムシ監督が若返りを進める中で、PSG所属のハリル・アヤリやバンクーバー・ホワイトキャップスの18歳ラヤン・エルーミを招集したと報じています。
チュニジアは守備のイメージが強いですが、今回のチームには若い攻撃タレントも含まれています。
注目選手①:ハンニバル・メイブリ
チュニジア代表で最も注目されるのは、ハンニバル・メイブリです。
マンチェスター・ユナイテッドの下部組織で注目され、その後イングランドやスペインで経験を積んできたMFです。現在のチュニジアでは、単なる若手有望株ではなく、攻撃の中心として扱われています。
ハンニバルの魅力は、感情の強さと技術の両方を持っていることです。
球際で戦える。
前を向けば運べる。
狭い場所でもボールを失いにくい。
そして、試合のテンションを上げられる。
チュニジアが守備だけのチームで終わらないためには、ハンニバルがどれだけ前線に良いボールを届けられるかが重要です。
日本戦では、遠藤航や守田英正のような中盤の選手が、ハンニバルに自由を与えないことが大切になります。
注目選手②:エリス・スキリ
チュニジアの心臓部は、エリス・スキリです。
スキリは派手な選手ではありません。
しかし、チームにとっては極めて重要です。
相手のカウンターの芽を潰し、最終ラインの前を埋め、味方が前に出た後のスペースを管理する。こうした“見えにくい仕事”を高いレベルでこなします。
チュニジアが予選で無失点を続けられた背景には、最終ラインだけでなく、中盤の守備フィルターが機能していたことがあります。
日本がチュニジアを崩すには、スキリの周辺をどう動かすかが鍵になります。
中央で正面から崩そうとすると、彼に引っかけられる可能性があります。
注目選手③:イスマエル・ガルビ
攻撃の変化をつける存在として注目したいのが、イスマエル・ガルビです。
ガルビは、トップ下、左サイド、右サイドでプレーできるアタッカーです。
細かいタッチで相手の間に入り込み、守備ブロックの外側だけでなく、内側からも崩しに関われます。
日本戦のように、チュニジアが守る時間が長くなる試合では、前線にボールが入ったときに時間を作れる選手が重要になります。ガルビがボールを収め、ハンニバルやサイドの選手が前に出てくる形を作れると、チュニジアのカウンターは一気に怖くなります。
チュニジア代表の戦術|基本は堅守、ただしラムシ体制で若返りも進行中
チュニジア代表の最大の武器は、やはり守備です。
予選10試合無失点という数字は偶然ではありません。QNAは、チュニジアが9勝1分、22得点、無失点で予選を終えたと伝えています。
基本的には、コンパクトな守備ブロックを作り、中央を閉じます。
相手にボールを持たせても、危険な場所には入らせない。
奪ったらサイドやハンニバルを経由して、素早く前に出る。
この形がチュニジアのベースです。
The Guardianによると、ラムシ監督は初戦で4-3-3を使い、その後カナダ戦では4-2-3-1も試しており、相手に応じてシステムを使い分ける可能性があります。
想定される基本形
CF
LW AM RW
CM CM
LB CB CB RB
GK
または、守備時には以下のように見えます。
FW
LM CM CM RM
DM DM
LB CB CB RB
GK
ポイントは、前から無理に奪いに行きすぎないことです。
チュニジアは、相手のミスを誘う守備がうまいチームです。
ボール保持率で上回られても、ゴール前で粘り、相手に焦りを生ませる。そして一瞬のカウンターやセットプレーで仕留めに来ます。
日本代表にとってチュニジア戦が難しい理由

日本にとって、チュニジア戦はかなり難しい試合です。
理由は3つあります。
1. 守備ブロックが硬い
日本はボールを持つ展開になる可能性があります。
しかし、チュニジアは中央を閉じるのがうまく、縦パスを簡単には通させません。
日本がサイドに逃げ続けると、クロスを跳ね返される展開になりやすいです。
久保建英、三笘薫、堂安律のような選手が、サイドから内側へ入り、相手の中盤とDFラインの間で受けられるかが重要になります。
2. セットプレーが怖い
チュニジアは高さとフィジカルがあります。
日本が不用意なファウルを与えると、FKやCKから失点するリスクが出てきます。
特に拮抗した試合では、セットプレー1本が勝敗を分けます。
3. 先制されると非常に厄介
チュニジアに先制されると、試合はかなり難しくなります。
チュニジアはリードした状態で守るのが得意です。
無理に出てこず、ブロックを下げ、スペースを消し、時間を使いながら試合を進められます。
日本としては、焦って中央突破に固執するのではなく、サイドチェンジ、ミドルシュート、PA脇のポケット侵入を組み合わせる必要があります。
チュニジア代表の強み
予選無失点の守備力
最大の強みは、やはり守備力です。
予選を通じて無失点というのは、簡単にできることではありません。
相手のレベル差がある試合も含まれるとはいえ、10試合で一度も崩れなかったという事実は、チームの規律を物語っています。
中盤の守備強度
スキリ、ケディラ、ベン・スリマン、ハンニバルと、中盤には戦える選手が揃っています。
特にスキリとケディラを並べる形になれば、中央の防御力はかなり高くなります。相手からすると、中央突破が難しくなり、外回りの攻撃に誘導されやすくなります。
若手の台頭
今回のチュニジアは、ベテラン中心のチームから少しずつ変わっています。
The Guardianは、ラムシ監督の最初のメンバー選考について、若手中心に再建するメッセージが明確だったと伝えています。
ガルビ、アヤリ、エルーミといった若い選手が大会で勢いに乗れば、守備だけでなく攻撃面でもサプライズを起こす可能性があります。
チュニジア代表の不安要素
得点力に不安がある
守備は計算できます。
ただし、問題は得点です。
チュニジアは、強豪相手に多くのチャンスを作れるタイプではありません。
そのため、少ないチャンスを確実に決める必要があります。
スウェーデン戦、日本戦で先制できるか。
ここがグループ突破に直結します。
監督交代とチーム作りの短さ
サブリ・ラムシ監督は、2026年大会直前のチーム作りを任された監督です。
The Guardianは、チュニジアが予選期間中に複数の監督を経て、現監督のラムシがアフリカネーションズカップ後に就任したと伝えています。
守備の土台はある一方で、攻撃の連係や試合中の修正力は大会で試される部分です。
グループFの相手が厳しい
オランダは格上。
日本は組織力と個の質がある。
スウェーデンもフィジカルとセットプレーが強い。
チュニジアにとって、楽な試合は一つもありません。
どの試合もロースコアに持ち込み、勝ち点を拾う戦い方が必要になります。
グループF突破の可能性は?
チュニジアのグループ突破は、簡単ではありません。
しかし、可能性は十分あります。
2026年大会は48カ国制で、各組上位2チームに加え、各組3位のうち成績上位8チームもラウンド32へ進出します。つまり、チュニジアにとっては「2位以内」だけでなく、「3位で勝ち点を積んで突破」というルートも現実的です。
チュニジアの理想的なシナリオは以下です。
- スウェーデン戦:最低でも勝ち点1、できれば勝ち点3
- 日本戦:勝ち点1以上が必須
- オランダ戦:ロースコアに持ち込み、勝ち点を狙う
特に重要なのは初戦のスウェーデン戦です。
ここで負けると、日本戦でかなり攻めに出る必要が出てきます。逆にスウェーデン戦で勝ち点を取れれば、日本戦をより現実的なゲームプランで進められます。
日本にとっても、チュニジア戦は「勝てる相手」ではなく、勝ち切るのが難しい相手です。
まとめ|チュニジア代表は“守れるチーム”から“勝ち切れるチーム”へ進化できるか
チュニジア代表は、2026年ワールドカップで非常に興味深いチームです。
アフリカ予選を10試合無失点で突破した守備力。
スキリを中心とした中盤の安定感。
ハンニバルやガルビといった新しい攻撃タレント。
そして、日本代表と同じグループFという注目度。
これだけでも、記事としてかなり扱う価値があります。
ただし、チュニジアの課題は明確です。
守れる。
でも、勝ち切れるか。
これまでワールドカップでグループステージを突破できなかったチームが、ラムシ体制で新しい歴史を作れるのか。
そして日本代表は、その堅い守備をどう崩すのか。
チュニジア代表は、グループFの中でも非常に厄介な存在です。
日本戦を含め、2026年大会で注目すべきチームの一つと言えるでしょう。




